ナトリウムといえば塩分として摂取するミネラルで、塩分の摂りすぎが懸念されているのは、このナトリウムの過剰摂取が問題となっているからです。
ナトリウムは、カリウムとともに血液やリンパ液などの水素イオン濃度をコントロールし、細胞の浸透圧を一定に保つとても大切なミネラルです。しかし、体内量が過剰になると高血圧の原因となり、脳卒中を引き起こしやすくなります。
カリウムは、ナトリウムを排出する作用があることから、ナトリウムの過剰摂取による高血圧の予防などに効果があり、しかも、過剰に摂取しても速やかに排出されることで弊害はないと考えられています。
カリウムは、主要なミネラルではカルシウムとリンに次いで多く含まれていて、体重のおよそ0.2%を占めることから、体重60 kg の成人ではおよそ 120 g のカリウムが体内にあることになります。
厚生労働省では、生活習慣病予防のために、カリウムの1日の摂取量の目安量を設定していて、成人男子で2500mg、成人女子で2000mgが目安であり、高血圧の予防を目的とする場合は3500mgを目標として摂取するように推奨されています。
それに対して、国民健康・栄養調査では日本人のカリウムの摂取量は平成21年では2251mg、平成22年では2200mg、平成23年では2189mgと年々減少していて、メタボ対策には1,000mg〜2,000mg程度の上乗せ摂取が必要といえます。
カリウムが不足すると、高血圧だけでなく、むくみの原因にもなると言われています。また、夏バテの倦怠感や食欲の低下などの症状は、筋肉の収縮にも関わっていて、不足すると痙攣の原因ともなるカリウムが、暑さで汗を沢山かいたときに一緒に流出し、不足の状態になる事で生じた物と考えられています。
深刻なカリウム不足となり、血液中の濃度が低くなる低カリウム血症となるなど症状がひどい場合には、病院での治療が必要となってきますので、注意が必要です。
カリウムは、ほとんどの細胞の中に存在することから広く食品に含まれますが、特にバナナ、メロン、アボカドなどの果実類、ほうれん草などの野菜類、さつまいもなどのいも類、大豆や小豆などの豆類、魚類、肉類、ひじき、海苔に多く含まれています。