イチョウ葉には、植物特有の植物色素フラボノイド (flavonoid)とテルペノイド(Terpenoid)が含まれています。テルペノイドは、ジテルペン(diterpene)系のギンコライド(Ginkgolide)が、 A、B、C、J、Mの5種類とセスキテルペン(sesquiterpene)系のビロバライド(Bilobalide)があります。いずれもイチョウに特有の成分です。
ギンコライドAとBは、血管に炎症を起こしてアレルギーの原因になったり、血栓を作ったりする血小板活性化因子(PAF)が血管の組織に取り付くのを邪魔する効果があり、アレルギー症状を改善する効果が期待されています。
ギンコライドCは、血液の粘性を改善し、いわゆるサラサラ血液にする効果があり、ギンコライドJは、血流障害を除去する作用があるとされています。
ビロバライドは、活性酸素を除去する作用があり、脳の記憶にかかわる海馬の萎縮を抑制する作用があることで認知症に効果があると考えられています。また、中枢神経のケイレンを抑え、神経細胞の働きの保護が期待されています。
フラボノイド (flavonoid)は、約30種類含まれているとされていて、末梢の血管の拡張作用や、血管の材料であるエラスチンやコラーゲンの酸化をおさえて血管をしなやかにしたり、LDLコレステロールの酸化を抑える作用などが期待されています。
例えば、ギンゲチン(ginkgetin)にはコレステロールの低下作用、ケルセチン(quercetin)には血圧降下作用、イソラムネチン(Isorhamnetin)には、冠状動脈の血流と脳内の血流を増加し、微小循環を改善する作用があります。
ケンフェロール (Kaempferol) は、血管強化・抗炎症・血圧上昇抑制・抗酸化・抗アレルギー作用があり、ルチン(Rutin)には活性酸素の発生を防ぎ毛細血管を強化する作用、クエルシトリン(Quercitrin)には、血管壁強化と利尿・緩下作用、血圧降圧、抗動脈硬化作用があるといわれています。
イチョウ葉は、これらの成分を含むことで、高血圧症や動脈硬化症などのメタボリックシンドロームの予防、改善に効果があると考えられています。
イチョウの葉には以上の成分のほか、有害物質としてギンコール酸(ginkgolic acid)の存在が知られています。ギンコール酸はアレルギーを起こす物質として知られることから、イチョウ葉エキスとしては、ギンコール酸含有量は5ppm以下が望ましいとされています。