シモン芋の皮に近い部分に含まれる酸可溶性糖蛋白「CAF」が、インスリンの分泌を促す作用があり、血糖値、中性脂肪値を下げるとされています。2型糖尿病では、膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンのインスリンの減少が原因のひとつです。
シモン芋には、ビオチンが含まれています。ビオチンが欠乏すると1型及び2型の糖尿病では、インスリン分泌能がきわめて低下し、インスリン抵抗性が低下することなどが報告されているようです。ビオチンの不足は、その他にも粘膜部位の炎症、皮膚疾患、免疫不全症を引き起こすことが知られています。
シモン芋には、ほかにもビタミンが含まれていて、ナイアシンやビタミンB6は、インスリンの合成に必要な成分です。ビタミンDは、インスリン生成細胞の自己免疫による障害を防ぐ働きがあります。そして、ミネラルでは、亜鉛やマンガンが、インスリン合成に必須のミネラルです。
シモン芋は、インスリンの合成に必要な成分も含むことでインスリンの分泌を促す作用を期待でき、血糖値を正常化する効能が期待できます。糖尿病の三大症状である、網膜障害、腎臓障害、末梢神経障害を改善する効果が期待されています。
また、シモン芋に含まれるレシチンには、コレステロール値を下げるなどの効果があるとされています。レシチン(Lecithin)は乳化作用があり、コレステロールを溶かしたり、コレステロールが血管壁に沈着するのを防いで脂質代謝を活発にします。
レシチンはコレステロールを溶かし、肝機能を高め、脂溶性のビタミンAやビタミンEの吸収をよくしてくれます。さらに、脂肪代謝にも効果的ですので、シモン芋は、肥満予防やダイエットにも有効といえます。
シモン芋は、サツマイモに比べて、例えばカルシウムは約6.6倍、鉄分は8.8倍、カリウムは約2倍、リンが約2倍など、含まれるミネラルはズバ抜けて多く、β-カロテンは約3倍とビタミン類も豊富に含まれています。その他には、コリン、ビタミンP、ビタミンB12、ヤラピン酸、亜鉛、銅、マグネシウム、ゲルマニウム、マンガン、シリコン(珪素) など、人体に必要なほとんどすべての微量栄養素を含んでいることが確認されています。
シモン芋には、ほかにも、天然ビタミンKや話題になっている、ポルフィリン(porphyrin)が豊富に含まれており、白血病、糖尿病、高血圧、リウマチ、貧血、アトピー性皮膚炎、肝臓疾患、動脈硬化、認知症、白内障、神経痛、がん予防、そして血液浄化などさまざまな症状に効果を発揮しています。
シモン芋の皮は白色ですが、太陽光に当ると緑色に変色するのは、葉緑素の前駆物質ポルフィリンが含まれているためです。ポルフィリンというのは、私たちの身体の中や身の周りにたくさん存在し、重要な働きをしています。
例えば、空気中の酸素を身体の隅々まで運んでくれる血液のヘモグロビンの活性部位には、鉄ポルフィリンが存在しています。また、緑の葉では、クロロフィル(マグネシウムポルフィリンの還元体)が光合成を行っています。このように、ポルフィリンは、その中心に存在する金属イオンの種類や酸化数によって異なる働きをします。
シモン芋には、葉酸や食物繊維そして、シモン芋の葉にはエイズウイルスの増殖を抑制するトリカフェオイルキナ酸(Tricaffeoylquinic acid)などのポリフェノールが含まれています。また、キノコ類で注目されたβーグルカンなどの貴重なSOD栄養素群なども豊富に含んでいます。
シモン芋は、これらを含むことで、さらに、高血圧症、高コレステロール症、高中性脂肪症などに効果が期待されています。ただし、先天的な糖尿病やインスリン依存型糖尿病などには効果は薄いとされます。
シモン芋は、また、ヤラピン(jalapin)と食物繊維を含むことで便秘や、肩こり改善の効果があり、クロロゲン酸・フラボノイドなどポリフェノールによって、花粉症やアトピー性皮膚炎の症状改善に効果があるとされています。
シモン茶は、シモン芋の葉や芋を粉末にしたものをお湯などに溶かして飲むものです。緑茶のように葉を煎じた液を飲むのと異なり、茶殻が残らず、カフェインも含まれていません。部位によって含有成分が異なります。
シモン芋の収穫時期はおおよそ11月頃ですが、加熱調理には向かないことで、生芋での販売もされていますが、粉末や錠剤のサプリメントでの摂取がおススメといえます。シモン芋は勿論医薬品ではありませんので速効性を期待できるものではありませんが、早ければ2週間程の摂取で効果が現れているようです。