また葉の部分には抗酸化作用があり、膵臓がんの抑制効果があるとされるβ-カロテンが、キャベツの約9倍の100g当たり450mg含まれています。さらには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、鉄、胃や十二指腸の潰瘍予防効果のあるビタミンUなど、ビタミンやミネラルをまんべんなく含みます。
セロリ(塘蒿、英: celery、学名: Apium graveolens var. dulce)は、セリ科の野菜です。オランダミツバ、清正人参(きよまさにんじん)とも呼ばれ、葉、茎、根、実、ほぼ全ての部分を食用にできますが、店頭で販売されるのは葉と茎です。独特の強い香りがあります。
セロリの香り成分は、アピイン(Apiin)、セダノライド(sedanolide)、β‐セリネン (β-Selinene)であり、さらに、リモネン(limonene)やピラジン(pyrazine)などが含まれています。
セロリの葉に含まれているアピイン(Apiin)は、フラボノイドの一種で、活性酸素のスカベンジャーとして働く強力な抗酸化力をもち血栓を予防し血液をさらさらにする効果、血管を守る作用、抹消血管を広げ血流を良くして高血圧や冷え症を改善する作用などがあります。また、神経系統に作用して、イライラや頭痛などの症状を鎮める働きがあります。
野菜特有の青臭さの元といわれる、ピラジン(pyrazine)は、血液をサラサラにして血栓が出来るのを抑制し、心筋梗塞・脳梗塞に効果があると言われています。
茎に含まれるメチオニン(Methionine)は、必須アミノ酸のひとつで肝臓の機能を高める成分として知られていて、リモネンやセダノライドとともに、飲酒や喫煙で体内にたまった毒素を除く有効成分として、二日酔いの頭痛にも効果があるとされています。
セロリに含まれるβ-カロテンは、全身の代謝を改善し、ビタミンC は、ストレスに対する抵抗力をつけるので、健胃、血圧降下、鎮静などの作用が期待されています。
セロリは、ほかにも、血圧改善効果のあるカリウムやカルシウムなどのミネラルや食物繊維が豊富です。食物繊維は、整腸やコレステロールの低下に効果があります。独特の香り成分のアピイン、セダノライド、セネリンは、食欲増進や精神安定に力を発揮します。
セダノライドは、セダノン酸(Sedanonic acid)のラクトン (lactone) で、肝臓などの臓器で解毒作用を持つグルタチオン-s-転移酵素(Glutathione S-transferase)の活性を誘導し、肝臓の機能を高め、更に がん抑制作用があるとされています。
β−セリネンは、整腸作用、強壮作用の働きがあります。リモネンには抗感染作用、組織再生作用、抗炎症作用、鬱滞除去作用等に加えて、肝臓細胞再生作用、腎臓機能促進作用の働きがあります。
セロリは、フラボノイドの一種で黄色色素成分のルテオリン(luteolin)も含んでいて、これは、免疫力を正常にする働きがあり、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を改善する働きがあるとされています。
アピイン(Apiin)は、セロリだけでなくパセリの葉および種子にも含まれるフラボノイド色素で、鎮静作用があるフラボン系色素のアピゲニン(apigenin)に糖のアピオース (apiose)とグルコース (glucose)が結合したフラボノイド配糖体で、神経の鎮静作用もあり、神経過敏な人や不眠症、ノイローゼに効果があります。
セロリの葉は、刻んで入浴剤として利用すると湯冷めしにくいといわれ、冷え性にも効果があるようです。また、セロリの匂いが苦手な人は、牛乳を加えたスープがおススメです。
セロリは、香り成分が様々な効能をもつことから、精油としても利用されていて、消化促進、鎮静、抗アレルギー、整腸、強精、疲労回復、動脈硬化予防、気管支炎、肝臓病等に効果があるといわれています。
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