マリアアザミ(学名:Silybum marianum)はキク科オオアザミ属の二年草で、和名をオオアザミ、英名はミルクシスル(Milk thistle)といいます。原産地は地中海沿岸で、日本でも帰化植物として分布しています。
ある研究で、マリアアザミによるU型糖尿病の改善作用が示されたとしています。それは、U型糖尿病患者51名を対象に、200mgのシリマリンを含むマリアアザミを、1日3回、4ヶ月間投与したところ、HbA1c、空腹時血糖、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、GOT、GPTが有意に低下した、というものです。
マリアアザミを摂ることでこれらの値が低下したことについて、その作用がなぜ実現するのかはまだ解明されてはいないようですが、例えば、体内を循環するコレステロールのおよそ20%〜25%が肝臓で合成されます。マリアアザミは肝臓を健康にする作用があることで、コレステロール値を最適なものにする作用が働いたと考えられます。
さらには、マリアアザミの有効成分とされるシリマリン(Silymarin)と呼ばれる4種のフラボノリグナン類(flavonolignans)の抗酸化作用が血糖値の正常化に相乗的に働いたとも考えられます。
マリアアザミは、ドイツのコミッションE(ドイツの薬用植物の評価委員会)において、消化不良に対する使用を承認されているハーブです。副作用については、適切に摂取する場合にはほとんど心配がないようですが、まれに下痢や胃腸障害、アレルギーなどを起こすことがあるようです。