糖尿病は、膵臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊されるのが原因とされていて、これまで、β細胞がインスリンを作らなくなると2度と復活しないと考えられていました。
しかし、初期の糖尿病の場合には、β細胞の多くが仮死状態であるだけで、充分休養を与えることで再びインスリンを健康者と同じように作ることが可能であることがわかってきました。
したがって、初期の糖尿病患者に強化インスリン療法を行うと、すい臓のβ細胞を休ませることが出来、その結果、自らのインスリン分泌能が復活しだします。これは、早ければ早いほどβ細胞のダメージが少ないことで効果が高いといえます。
強化インスリン療法によって、糖尿病が完治する可能性がある人は、糖尿病発症直後の人や、SU薬を短期間(8年未満)しか内服していない人、長時間作用型インスリン(N型・L型)を使用していない人、ミックス型インスリンを1日1回又は、2回打ちしていない人とされています。
糖尿病を発症したなら即座に強化インスリン療法を受けるべきです。また、この場合、注射を頻繁に打たなければなりませんが、現在のインスリン注射器は、ハリが非常に細いため殆ど痛みを感じることがありません。