寒天は、テングサ(天草)などに硫酸または酢酸少量を加え煮沸するなどして取り出した粘液質を冬の寒冷な気候を利用して自然凍結と天日乾燥を繰り返して作られます。
寒天は殆どが食物繊維です。食物繊維は、胃で消化されないばかりか、一緒に食べたほかの食物を包み込んでしまいます。
そして、食物の消化を妨げます。そのためになかなか空腹にはならないんです。腹持ちがいいわけです。そうするとつまみ食いをしようという思いを抱かずにすみます。これはダイエットにつながります。
寒天を十分に食べるとその食物繊維は食欲を低下させます。食物繊維が胃腸にあるとすい臓はインスリンの生産ラインの働きを低下させます。
インスリンはグルコースの濃度をコントロールする重要なホルモンで、脳に働きかけて食欲を高めます。寒天の食物繊維がインスリンの生産を抑えることができるので食欲が低下し無駄食いをしなくなり、結果、ダイエットにつながります。
寒天の食物繊維は身体に殆ど消化吸収されることがありません。そして、ダイエットにとって大敵なもののひとつは脂肪なのですが、その脂肪を包み込んでしまうために、脂肪が消化吸収されるのを防いでくれます。
余計な脂肪が体に取り込まれないこともダイエットには大切なことです。これらのことで、寒天はダイエット食品といわれていてメタボに効果があるわけです。
寒天の食物繊維には、アガロース、アガロペクチンが含まれています。どれも寒天の細胞壁を補強する材料です。食物繊維は水に溶けるか、溶けないかで2つに分けられています。水に溶けやすいのは水溶性食物繊維。水に溶けにくいのは難溶性食物繊維と呼ばれています。アガロースは、難溶性食物繊維、アガロペクチンは、水溶性食物繊維とされています。
食物繊維を摂ると腸内がきれいになるとされますが、それは、食物繊維が有害物質を補足するばかりか、便通をよくするからです。食物繊維は大量の水を吸収し、ふくれる特徴があります。食物繊維は消化物の体積を2倍にします。ふくれることで腸内を掃除してくれます。ふくれて腸壁を適度に圧迫することでその刺激が便意をもよおし排便がうながされます。
さらに、水溶性食物繊維は、コレステロール値を下げる働きがあります。水溶性食物繊維は、消化管に放出されたコレステロールを吸着し便と一緒に排出します。そして、水溶性食物繊維はコレステロールの生産を邪魔するだけでなく生産されたコレステロールが消化管から血液に移動するのを妨げます。
食物繊維は、がんにも有効とされますが、たとえば、胆汁酸は、肝臓で作られ小腸に送られて消化を助けます。ところが、悪玉菌が余った胆汁酸を小腸にとって猛毒の発がん物質へと変えることがあります。
アガロースなどの難溶性食物繊維は消化の際に余った胆汁酸を吸収してくれます。さらにわずかに残った胆汁酸から作られた発がん物質は水溶性食物繊維が吸着し、これらの有害物を便とともに体外へ排出してくれるんです。
寒天の食物繊維のアガロースが胃酸によって分解されてできる物質アガロオリゴ糖という成分が注目されています。
アガロオリゴ糖は、血糖値を低下させる効果があるとされています。したがって寒天を摂ることは肥満症やU型糖尿病の予防、治療に効果が期待できるわけです。
さらに、アガロオリゴ糖が、がんの抑制に効果があるといわれています。がん細胞はひたすら増殖を繰り返すことで知られていますがこれは不要な細胞に備わっているアポトーシスという細胞の増殖抑制機能が働かないためとされています。
アガロオリゴ糖は、がん細胞に対してアポトーシスを促す作用があるというのです。その結果がん細胞の増殖が抑制されるとされています
しかし、食物繊維はもともと胃や腸では分解されにくいもののため、生成されるアガロオリゴ糖の量はごく少量でしかありません。
これを積極的に摂ることを考えるのであれば、例えば、寒天を果物の果汁の酸に溶かすことで作ることができます。血糖値やがんが心配の方は、一度試してはどうでしょうか。血糖値のほうは1ヶ月ぐらいの継続が必要のようです。