こんにゃくは、サトイモ科のコンニャク(蒟蒻、菎蒻、学名:Amorphophallus konjac)の球状をした地下茎から製造される食品です。こんにゃくの主成分はグルコマンナンですが、こんにゃくの凝固剤には水酸化カルシウムが含まれており、カルシウム摂取にも非常に役立ちます。
グルコマンナンは水溶性の食物繊維で、水に溶けると、脂肪や糖分の吸収を抑えたり有害物質を閉じ込めて排出してくれる作用が知られています。
しかし、こんにゃくをコンニャクイモから生成する際に凝固剤によって固められてしまうことで水に溶け出すことのできない不溶性の食物繊維に変わってしまいます。
こんにゃくのグルコマンナンはグルコースとマンノースが2:3-1:2の比率で重合した多糖類の一種でコンニャクマンナンとも呼ばれ、ヒトの消化管ではほとんど消化されない不溶性の食物繊維として働き、腸内微生物により一部脂肪酸に変換されて利用されています。
こんにゃくのグルコマンナンの水に溶けない不溶性の食物繊維としての働きによって、整腸作用、便秘解消だけでなく、メタボリックシンドロームに効果があるとされています。つまり、肥満や糖尿病、高脂血症などの予防・改善に効果があることが明らかになっています。
こんにゃくが、ダイエットに効果があるとされるのは、適度に咀嚼できることで満腹中枢を刺激でき、食事で満足感を得ることが出来たり、消化されないことで腹持ちが良いことで食べすぎを防ぐことができるからだとされています。
さらに、こんにゃくは、血糖値を抑制する作用があることが知られていますが、大阪大学医学部の臨床実験で、こんにゃくがインスリンの分泌を促進させるという研究結果が報告されています。
これは、こんにゃくが消化器官を通過するときの物理的刺激によって、消化管ホルモンが血液中に放出され、そのとき血糖値が高くなっているとインスリンの分泌が促進され血糖値が抑制されるというものです。
こんにゃくは、また、コレステロールの小腸からの吸収を抑える働きもあり、さらに肝臓から排せつされる胆汁酸が小腸から再吸収されるのも防ぐため、血中コレステロール値の異常な上昇を抑えます。
こんにゃくには、便秘解消効果も期待されています。便秘解消は、様々な健康効果があるといわれていますが、それは、便の成分をみるとわかります。便に含まれる、食べ物の残滓は、実はほんの5%に過ぎないのです。もっとも多いのは水分で60%程度といわれていて、残りが、細胞や細菌の死骸です。
小腸は、ひだまで広げると、テニスコート1面くらいの面積を持ちます。しかも、2日に1回くらいの割合で腸壁の細胞が生まれ変わります。胃や大腸の細胞も3〜4日で生まれ変わるといわれています。食べ物を消化するための強い消化液などにさらされることから、新陳代謝がとても活発なんです。
こんにゃくは、不溶性の食物繊維として、やんわりと大腸を刺激して、排便反射を高め、便通改善に効果があり、美容や健康に効果を期待できます。
また、こんにゃくは、カルシウムを含んでいますが、板こんにゃくよりもしらたきの方が、製法上多く含まれることが知られています。カルシウムは、骨粗鬆症や、ロコモティブシンドローム予防に効果があります。
こんにゃくには胃上皮へのピロリ菌の付着阻害および定着阻害作用があることも分かっています。ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は、人間などの胃の中に生息する細菌で、胃粘膜に定着し、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんなどを引き起こします。また、小児の鉄欠乏症貧血、慢性じん麻疹などの胃以外の病気の原因となることも明らかになっています。
ピロリ菌を除菌すると、胃がんの予防などに繋がります。こんにゃくを毎日食べることで、胃の中でピロリ菌がいなくなり、胃がんなどの予防効果を期待できます。
マンナンレバー