中国では、古くから万病に効く薬草として知られていて、中国医学最古の薬物書『神農本草経』にも記載されています。
紅景天は、血糖値上昇抑制作用があるとされています。紅景天に含まれているメタノールエキスが体内の各種糖質をブドウ糖に分解する酵素α-グルコシダーゼ(α-glucosidase)の働きを阻害し、血糖値の上昇を防ぐと考えられています。
また、最近の研究では、血糖値降下ホルモンであるインスリンに類似した働きのある事が発見され、今後の糖尿病対策などへの活用法が期待されている生薬でもあります。
紅景天の効果効能としては、ほかにも、フラボン類などは中枢神経の伝達成分の5-ヒドロキシトリプタミンの合成を促進することで、脳・脊髄の働きを高め、記憶力、運動能力を増進する作用が期待できます。
さらに、強心作用があるとされていて、特に、虚血状態、酸素不足環境では、その作用がより明らかになるといわれています。それは、赤血球、白血球の働きの増進作用があり、特に低酸素環境の場合により顕著に働くことによると考えられています。
そして、活性酵素を消去するスーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) を含有することで、抗酸化、抗老化作用、抗ガン作用、抗ウィルス作用、抗高山病作用が期待されます。
紅景天は、血糖値を下げる作用を期待できるだけでなく、様々な健康効果を期待できる生薬といえます。