アルギン酸は昆布のヌルヌルしたぬめり成分のことで、褐藻類に特有な天然多糖類です。含有量は乾燥重量の30%〜60%を占め、昆布やワカメなどの主成分で天然の食物繊維です。
アルギン酸には、そこに含まれるカリウムの働きで体内の塩分を吸着して血圧を下げるほか、脂肪分を吸着して一緒に便になって出て行くことで体に吸収される脂肪分が少なくなり、血中コレステロールの低下作用、血糖値の上昇抑制作用、ダイエット効果、便秘改善効果、動脈硬化の予防、胆石の予防などの作用があります。
フコイダンもまた、ぬめり部分に含まれる酸性多糖類で、血圧の上昇を抑える、抗ウイルス、抗菌作用がある、アレルギーをおさえる、肝機能をよくする、コレステロールを下げる、がんに効果があるなどといわれています。
フコイダンには、グルクロン酸を含む U-フコイダン、硫酸化フコースを主体とした F-フコイダン、ガラクトースを含む G-フコイダンなどがあります。なかでも、F−フコイダンには、HGF(hepatocyte growth factor; 肝細胞増殖因子)の産生を誘導することで、肝臓の機能を改善する効果があるといわれています。
さらに、HGFは肝臓細胞の増殖のほか、腎臓や心臓などの様々な器官の組織、そして、上皮細胞の再生に関わっているとされています。したがって、昆布は、肝臓だけでなく肌の細胞に直接働きかけることで美肌効果を得ることが出来ると考えられています。
フコキサンチン(Fucoxanthin)は、茶色からオリーブ色のカロテノイドの一つで、京都大学大学院農学研究科平田孝教授によると、紫外線によって発生するコラーゲンなどの分解酵素やコラーゲンにダメージを与える活性酸素などを無力化する、抗酸化作用があると考えられています。
また、北海道大学でラットやマウスを用いて行われている実験では、フコキサンチンが、通常は褐色脂肪細胞に特異的に存在するタンパク質であるサーモゲニン(Thermogenin;熱産生タンパク質)のUCP1(uncoupling protein 1)の発現を白色脂肪細胞において促す作用があり、脂肪組織における脂肪の燃焼を助けることが報告されダイエット効果が期待されています。
ただし、昆布などに含まれるフコキサンチン量は、多いものでも乾燥重量の0.1%程度とごくわずかな量であるようです。
ところで、昆布にはヨウ素が多く含まれているため、甲状腺に疾患がある方などは、医師とご相談ください。また、健康な方も、極端に多くの昆布を食べ続けることはお勧めできません。