プテロスチルベンは、その分子構造のうち2か所がレスベラトロールと異なり、メチル化(メトキシ基-OCH3に置換)していることで、「メチル化レスベラトロール」とも呼ばれています。
レスベラトロールは、肥満マウスのSirt1(サーチュインワン)と呼ばれる寿命延長に関わる遺伝子を活性化させるとの研究報告がありますが、プテロスチルベンではSirt1との関連性は今のところ確認されてはいません。
ですが、メチル化していることで、プテロスチルベンは レスベラトロールと比較して脂溶性が高くなり、より体内に吸収されやすく、血中滞留時間も長くなるとされています。
ラットの経口投与試験では、レスベラトロールに比べ血液中の濃度の維持時間が3倍近く長いという結果が示されています 。
プテロスチルベンもレスベラトロールと同様、植物がウイルス・細菌・カビや多量の紫外線曝露などから自身を守るために分泌する「フィトアレキシン(Phytoalexin)」と呼ばれる成分のひとつです。
プテロスチルベンは、この高い脂溶性によって、レスベラトロールと同じかそれ以上に、多面的な効果が期待できる成分として注目を浴びています。
プテロスチルベンは、悪玉コレステロールとして知られるLDLコレステロールの低減作用があります。
プテロスチルベンは、核内に存在する受容体であるPPARαのアゴニスト(PPARαを活性させる鍵)で、肥満ラットを用いた実験ではPPARα活性化能が現れていることが確認されました。
PPARαとは、peroxisome proliferator-activated receptor-α(ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体-α)のことで、転写因子PPARの1つで、ほかにPPARγがあります。
PPARαが活性化することにより中性脂肪を減少させ、主に中性脂肪を運ぶ働きのあるVLDLコレステロール (very low-density lipoprotein:超低密度リポたんぱく質)の合成抑制が認められています。
また、PPARα活性の活性化剤である脂質降下薬(シプロフィブラート)とプテロスチルベン、レスベラトロールとのPPARα 活性比較の実験では、プテロスチルベンの方が脂質降下薬よりも高い活性が示されたとの報告があります。
さらに、糖代謝を促進することで血糖値を下げる作用があるとされていて、すい臓機能を不全にさせたラット(糖尿病モデル)に、血糖降下薬のメトホルミンとプテロスチルベンをそれぞれ与えたところ、プテロスチルベンは血糖降下薬の約1/10量で同等の血糖の降下があると報告されています。
レスベラトロールは、抗酸化作用がありますが、プテロスチルベンも同等の抗酸化作用があるとされ、TNFα、IL1βおよびIL4も抑制する、抗炎症作用もあるとされています。
また、がん抑制作用が、レスベラトロールよりも高く、動物実験では、記憶力の向上が認められたと報告されています。
サプリンクスのプテロスチルベン製品

レスベラトロール