ビタミンB群は、糖質、たんぱく質、脂質などのエネルギー変換にかかわりが深く、ビタミンB群が互いに連携して働いています。そのため、一緒に摂取するとエネルギー変換がよりスムーズになり、効果が高まります。逆に不足するビタミンがあるとその量に合わせて効率が低下してしまいます。
そのため、ビタミンB群の不足は、肥満などメタボリックシンドロームを引き起こすと考えられています。さらに、ビタミンB群は、タンパク質や炭水化物の吸収を助けて細胞の成長を促して老化を防ぐ働きがあります。
ところで、人間の体内には、「消化酵素」と「代謝酵素」という、健康に関わる酵素が存在しています。
消化酵素とは、食べたものを体が吸収しやすいように消化するためのものです。例えば、ご飯などに含まれるデンプンを分解するのはアミラーゼ、肉などのたんぱく質の分解はプロテアーゼ、脂肪の分解にはリパーゼという酵素が働いています。これら消化酵素の働きにより、栄養素は分解され小腸で吸収されます。
代謝酵素とは、消化酵素によって取り込まれた栄養素を体の中で働かせる酵素です。運動、呼吸、脳での思考、老廃物の排出、抗ウィルス作用、肌の新陳代謝など、あらゆる生命活動で重要な働きをしています。
ビタミンB群は、これら酵素の働きを助ける補酵素です。糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギー産生に不可欠な補酵素なわけです。酵素の働きを助けるものとしては、ミネラルのマグネシウムも知られています。
補酵素のビタミンB群を充分に摂取することで酵素が働くと、糖質、たんぱく質、脂質などのエネルギー変換がスムーズに行われるなどして内臓脂肪の解消に効果が期待でき、肥満や、メタボリックシンドロームの予防・改善効果を得るだけでなく、便秘予防、美肌効果を得たり、自律神経と交感神経の働きも良好となり、快眠、精神安定につながります。
ビタミンB群は、水溶性であることから、尿排泄を促進する利尿作用がある薬剤などを服用すると、ビタミンB群が十分な働きをしないうちに尿中の水分に溶けて一緒に排泄されてしまいます。ビタミンB群を摂取するときには注意が必要です。
ちなみに、ビタミンB群の1日に必要な摂取量は、ビタミンB1・1.5mg、ビタミンB2・1.7mg、ナイアシン・19mg、ビタミンB6・2.0mg、ビタミンB12・0.002mg、葉酸・0.2mg、ビオチン・0.03mg、パントテン酸・4〜7mgといわれています。