クロロフィル (Chlorophyll) は、葉緑素(ようりょくそ)ともいいますが、植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素です。細胞内の葉緑体に存在し、光と水と空気中の二酸化炭素から糖などの有機物を合成する光合成に不可欠な成分です。
クロロフィルは、明日葉、小松菜、ほうれん草、クロレラ、緑茶など、青菜や緑黄色野菜、海藻などに多く含まれています。摂取すると様々な健康効果があるとされています。
クロロフィル は、コレステロール値を下げる効果があります。メタボの条件の一つ、高い血中コレステロール値は、血管壁にコレステロールが付着して血液の流れが悪くなります。このような状態が続くと血栓ができ、動脈硬化に進行する場合があり、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を起こしやすくなります。
クロロフィルは、血中コレステロール値を下げ、血栓の予防や血圧を下げる作用があります。クロロフィルの摂取によりコレステロール値が下がると、血液がサラサラになり血行が促進されるため、メタボの予防・改善に効果が期待できます。クロロフィルがコレステロール値を下げ、血中脂質の正常化に働くことが研究されており、効果が期待されています。
そして、クロロフィルには、抗ガン効果があると考えられています。強い紫外線に曝される植物に在ってクロロフィルには強力な抗酸化作用と浄化作用があり、他のファイトケミカルと一緒に植物を酸化ストレスから守っています。
ヒトも体内で活性酸素が発生すると細胞の中にあるDNAなどの遺伝情報が傷つけられ、書き換えられてしまうことがあります。傷ついて間違った情報を持った遺伝子は、遺伝病などをもたらす可能性があります。
クロロフィルの持つ抗酸化作用は、ヒトの体内でも有効に作用し、活性酸素を除去してくれるため、遺伝子のエラーが起きるのを防ぐことができ、ガン予防にも効果があるとされています。
ショウジョウバエの実験では、発ガン物質とクロロフィルを加えたエサをショウジョウバエに与えると、発ガン物質のみを加えたエサを与えた場合よりも、長生きしたという研究報告が出ています。クロロフィルを与えることによって染色体異常の発症が抑制され、染色体異常の一種と考えられているガン細胞の発症予防に効果があったのではないかといわれています。
また、有害物質を排出する働きもあります。クロロフィルの主成分はマグネシウムであり、マグネシウムとその他の成分とが胃で分離され、マグネシウム以外の成分は吸収されずに小腸、大腸を経由して排泄されます。そのとき、ダイオキシンや、有害ミネラルのカドミウム、鉛などの物質を吸着して除去してくれる効果が期待されていて、実際、ダイオキシンの除去効果が報告されています。
さらには、貧血を予防・改善する効果があるとされています。クロロフィルの成分のひとつの有機ゲルマニウムが酸素や血液の循環を助けて体のすみずみに酸素を供給する役割を持つことによります。他に、整腸作用や消炎作用なども認められています。
細胞を活発化させ創傷や潰瘍の治癒を促進させる効果があることから、ニキビ・シミ・シワ・カブレなどの肌トラブルを予防・改善する美肌効果、アンチエイジング効果があるとクロロフィルを外用として使用する方法もあります。