イノシトールは、植物中では遊離型のイノシトール又はそのリン酸エステル体(フィチン酸)として存在しています。甘味を持ち、ビタミンB群としての働きをすることで、脂肪とコレステロールを代謝し、細胞の成長促進に関わる欠かせない栄養素とされています。
イノシトールの働きとしては、動脈硬化、脂肪肝を防ぐ効果があり、血液中のコレステロールの流れを良くするとされていてメタボ対策として効能のあるおススメの成分といえます。また、髪を健康にし、脱毛や湿疹を防ぐ効果が有るともいわれています。
イノシトールは、同様の水溶性のビタミン様物質であるコリンと結合してレシチンを生成します。レシチンの不足は、疲労、免疫力低下、不眠、動脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着など多くの症状の原因となります。また、コリン同様に、脳の活性化に役立つとされています。
イノシトールの欠乏症状としては、脱毛症、湿疹、便秘の症状が出ることがあるとされていて、毒性はありませんが、過剰に摂取した場合には、イノシトールに含まれるフィチン酸が、鉄、亜鉛、カルシウムの吸収を悪くすることがあるとされています。したがって、例えばミネラルのサプリメントなどとは一緒に摂ることは避けたほうがいいようです。
イノシトールは、無色の結晶であり、生体成分として広く存在し、生体内でグルコースより生合成されます。穀物の糠や豆、果物や肉そして魚と広く含有されていて、例えば、オレンジ(208mg)、スイカ(80mg)、メロン(190mg)、グレープフルーツ(154mg)、モモ(100mg)、ささげ(300mg)、グリンピース(283mg)、さつまいも(60mg)、きゃべつの葉(100mg)、トマト(40mg)、小麦胚芽(1.12g)、( )内は、100gあたりのおおよそのイノシトール含有量です。
イノシトールは、また、パニック障害(英: panic disorder、PD)、強迫性障害(英: Obsessive-Compulsive Disorder, OCD)に有効とされていて、さらに、セロトニン異常に起因するうつ病に対する有効性を研究されてもいるようです。
イノシトールの1日の摂取量の目安は、250〜500mgとされていて、糖尿病の人は倍の量の摂取が目安とされているようです。