一説にはアスタキサンチンの元は藻などの水中植物ではないかといわれています。そのなかに淡水性のヘマトコッカスという藻があります。この藻は、緑色なんですが、紫外線による酸化から身を守るために、緑色から赤色に変色してアスタキサンチンを作り出しています。これら藻などの植物を始まりとした食物連鎖によって鮭の身にアスタキサンチンが含まれるに至ったと考えられています。
アスタキサンチンは、野菜でおなじみのβ-カロテンやリコピンなどと同じくカロテノイドの一種なのも元々は植物を起源としているからではないでしょうか。そして、アスタキサンチンは、これら以上に高い抗酸化作用を持つとされていて、紫外線や脂質過酸化から生体を防御する因子として働いていると考えられます。また、アスタキサンチンは光障害から目を保護する作用も持つと言われています。
アスタキサンチンは、高い抗酸化作用を持ちますが、さらにメタボに対する実験をおこなったところ、メタボリックシンドロームの指標とされるHbA1c(糖尿病の指標)や、TNF-α量が高値のヒトがそれぞれ正常値へ低下し、アディポネクチンは増加するという結果を得たとの報告があります。
この実験では、3カ月間1日16mgのアスタキサンチンのサプリメント摂取を継続したとされていることから、メタボの予防・改善を期待する場合には1日16mgのアスタキサンチンの摂取が目安といえそうです。