補酵素とは、酵素の働きをサポートする成分です。酵素というのは、体内で食べ物などを消化する段階から吸収・輸送・代謝・排泄に至るまでのあらゆる過程に関与していて、からだに摂り入れた物を変化させて利用するのに欠かせない成分です。
コエンザイムQ10(CoQ-10)は、エネルギーを取り出す酵素の働きをサポートする補酵素で体中のあらゆる細胞に存在しています。
コエンザイムQ10(CoQ-10)は、活性酸素が発生するエネルギーを取り出す現場に存在することから活性酸素に対する抗酸化作用が強くなければなりません。その、強い抗酸化作用をもつことで、血中コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を防ぐ作用があるとされています。動脈硬化は、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など重篤な症状を引き起こすとされています。
コエンザイムQ10(CoQ-10)の抗酸化作用は、同様の抗酸化作用をもつものとして知られている、ビタミンEやベータカロチンよりも強力とされていて、悪玉LDLコレステロールの酸化を防ぐことによる動脈硬化の予防作用においてコエンザイムQ10(CoQ-10)の方が効果的だといわれています。
動脈硬化は高血圧の原因となります。心臓病学者のP.ランソン医学博士の研究によると、高血圧患者109人にコエンザイムQ10(CoQ-10)を1日225ミリグラム投与したところ、85%の患者の血圧が下がったとの報告があります。
この実験では、3〜4ヶ月間のコエンザイムQ10(CoQ-10)の摂取で、上の血圧は159から147に下がり、下の血圧は94から85に下がったといいます。さらに、心臓の機能にも改善が見られたとされています。しかも、この実験を始めた時は、全ての患者が降圧剤を飲んでいましが、コエンザイムQ10(CoQ-10)の摂取後は、51%の患者が降圧剤を減らすことができ、25%の患者は薬をやめて、コエンザイムQ10(CoQ-10)の摂取だけで安定した血圧を保つことができるようになったと報告されています。
コエンザイムQ10(CoQ-10)のどのような作用がこのような効果をもたらしたのかの解明は未だですが、他にも、高血圧または心疾患を伴った糖尿病患者73名(平均年齢63.8歳)に、コエンザイムQ10(製品)を1日に30mg、平均22週間投与したところ、拡張期血圧、心拍数が低下し、また、自覚症状が改善されたという報告もあります。
コエンザイムQ10(CoQ-10)が高血圧の症状になんらかの影響を与える可能性は否定できないようです。ただし、まだ研究段階のため、そして、人によってコエンザイムQ10(CoQ-10)の吸収率が異なることもあり、利用には注意が必要であり、特に投薬治療を受けている人は医師と相談することが必要と思われます。
コエンザイムQ10(CoQ-10)は、私たちの細胞全てに存在します。人の体内で生合成され、また魚介類など多くの食品からも少量は摂取できます。しかし、コエンザイムQ10(CoQ-10)は加齢などにより減少し、不足しやすいという特徴が指摘されています。
コエンザイムQ10(CoQ-10)は、また年を取ると、健康上の問題が増加するため、より多くのコエンザイムQ10(CoQ-10)が必要になると考えられています。こうしたことから、高齢者はCoQ10の欠乏を招きやすい状態にあるとされ、40歳頃から体内でのコエンザイムQ10(CoQ-10)の減少が進むと考えられています。
様々な研究より、コエンザイムQ10(CoQ-10)の不足防止や健康維持のために摂取する目安として、30〜60mgが推奨されています。ちなみに、食物から1日30mgのコエンザイムQ10(CoQ-10)を摂るには、イワシ約6匹、牛肉約950g、ピーナッツ約1150gのいずれかが必要とされています。