緑茶には、テアニンが含まれています。テアニンは、セロトニンの機能を維持することで脳内をリラックスさせるやすらぎの効果をもっているとされています。そして、栽培時に日光を浴びると、このテアニンが渋み成分であるカテキンに変化します。
したがって、日光をふんだんに浴びて育てられたお茶の葉は、カテキンが豊富であることで渋みの強いお茶となります。そのカテキンの渋みを和らげるために考案された製法が深蒸しです。
深蒸し茶は、生茶葉から煎茶を造る最初の工程である「蒸し」の時間を、1分から3分程度と通常の10秒から1分程度までよりも長時間としたものです。こうすることで茶葉の細胞組織を破壊することができ、渋み成分カテキンと、細胞の断片が吸着しあい、様々な成分が浸出しやすくなることで、渋みを感じにくく、コクのあるまろやかな味わいのお茶になります。
深蒸し茶は、カテキンが豊富に含まれている緑茶といえます。カテキンは、タンニンのひとつで、タンニンはいろいろな植物に含まれていますが、茶葉固有の渋み成分をカテキンと呼んでいるものです。
深蒸し茶に豊富に含まれる、このカテキンがメタボリックシンドロームの肥満解消に効果があるようなんです。高濃度の茶カテキンを摂取することにより、肝臓や筋肉中の脂肪消費酵素の活性を増強させ、脂肪をエネルギーとして消費しやすくする、胆汁酸の排出を促進すること等により、結果として脂質の燃焼によるエネルギー消費の増加が起こることでダイエット効果が生じるとされています。
緑茶に含まれるカテキン類とは、フラボン骨格を有するポリフェノールのことでガレート基の付いているガレート型カテキン類とガレート基の付いていない遊離型カテキン類の8種類に分類することができ、エピガロカテキンガレート(epigallocatechin gallate、EGCg)など、4種類の、ガレート型カテキン類にダイエット効果があるとされています。
食事で摂った脂質は、胆のうから分泌される胆汁によって乳化され、消化酵素のリパーゼが作用し体内に吸収され、肥満の原因となります。
ガレート型カテキンは、脂肪の消化酵素である「リパーゼ」の働きを阻害し、食事中の脂肪の吸収を抑制するだけでなく、その脂質を吸着して体外に排出することでダイエット効果をもたらすとされています。
つまり、深蒸し茶を食事とともに摂ることは、豊富に含まれるカテキンが、ひとつには、肝臓での脂質代謝を活発にし、結果として脂質の燃焼によるエネルギー消費の増加によるダイエット効果を期待できます。
そして、もうひとつは、脂肪の消化酵素である「リパーゼ」の働きを阻害し、食事中の脂肪の吸収を抑制するだけでなく、その脂質を吸着して体外に排出するという、ふたつのダイエット効果を期待できると考えられています。
カテキンにはまた、血中コレステロールの吸着・排出も期待されていることで、ダイエットだけでなく、高脂血症、動脈硬化などの予防になり、血糖値、血圧の上昇抑制にもつながるなど、メタボリックシンドローム対策としての様々な効果が期待されています。
深蒸し茶には、カテキン以外にもカフェインやビタミンCなどのビタミン類、β-カロテン(抗酸化作用)、ビタミンE(血行促進作用や免疫機能改善効果)、クロロフィル(腸内環境を整える働き)など様々な成分を含むことで様々な健康効果を期待されています。
深蒸し茶をはじめとする緑茶は、腸内のビフィズス菌や乳酸菌に代表される善玉菌の割合を高める作用が確認されています。これにより、便秘など、おなかの悩みや肌荒れなどの改善を期待できます。
そのほかにも、緑茶には、がん予防、虫歯予防、抗インフルエンザ作用、口臭予防(脱臭作用)、覚醒作用(疲労感や眠気の除去)、持久力増加、二日酔い防止、利尿作用、神経細胞保護作用、リラックス作用(α波出現)、皮膚や粘膜の健康維持(コラーゲン形成)、神経管閉鎖障害の発症予防、夜間の視力維持、抗酸化作用、血圧低下作用、生体調節作用、消臭作用 などが期待されています。
メタボリックシンドローム対策には、急須で淹れた緑茶600ml相当を毎日飲むことが最低条件のようです。深蒸し茶の場合、この数倍飲んでも問題はないようです。ただし、飲むことを止めると効果もなくなるようです。
メタボに効果がある お茶
杜仲茶 / ドクダミ / 桑の葉茶 / オリーブ茶 / ウーロン茶 / ルイボスティー / ギムネマ茶 / なた豆茶 / グァバ茶 / チコリ / マテ茶 / ヨモギ(蓬) / 柿の葉茶 / 緑茶 / クミスクチン茶 / プーアル茶 / くま笹 / シナモン / ハイビスカスティー / アマチャヅル / ごぼう茶 / サラシア茶 / コーヒーで糖尿病予防