ネトル(Nettle)の葉には、蟻酸、ヒスタミン、セロトニン、コリンや、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸、レシチン、カロテノイド、フラボノイド、ステロール、タンニン、ビタミンなどが豊富に含まれています。
一方、根には、スコポレチン、ステロール、脂肪酸、多糖類、イソレクチンが含有されています。
ネトルの葉に含まれる、コリンには高血圧や、脂肪肝、動脈硬化を予防する作用があり、他の成分にも様々な効能があることから、米国では、高血圧以外にも、利尿剤、関節炎、前立腺炎、リュウマチ様の関節炎、などに効能が期待されているようです。
また、根に含まれるスコポレチンには、血管拡張効果があり、血液をサラサラにして、血管をしなやかにすることでの血圧降下作用があることから高血圧に効果があります。さらに、心臓病や脳梗塞の予防にも効果的です。
ネトルはまた、利尿作用があり、塩分を排出する作用があることなどから、メタボリックシンドロームの改善・予防に効果が期待されています。
そして、スコポレチンには、抗菌作用、鎮痛作用、うつ症・睡眠障害の改善作用があるとされていて、さらにまた、欠乏するとアルツハイマー症等の原因になるとされている、セロトニンの神経刺激伝達物質の合成に関与していることから、アルツハイマー症の予防・改善への効果が期待されています。
ネトルは、そのほかにも、テストステロンのジヒドロテストステロンへの転化を阻害する作用があるとして、前立腺肥大症をはじめとする前立腺関連の疾患、抜け毛予防にも効果があるといわれています。
また、抗炎症剤や抗ヒスタミン剤としての機能を持つことが確認され、関節炎や花粉症やアトピー性皮膚炎などにも効果があると言われています。
ネトルに含まれるレクチン成分には、HIVや上部呼吸器系のウィルスに対する優れた抗ウィルス特性があるとされています。ネトルの葉に含まれるフラボノイドや根に含まれるレクチンは免疫刺激性があり、全身狼瘡(皮膚結核)の症状改善に効果が期待されているようです。